COVID-19に対する対策(規制解除)のシミュレーション

経済的なことを考えると,いずれ必ず社会を規制全面解除しなくてはいけません.冷静に考えると,あれだけの事故があっても原子力発電は継続しているし,自動車事故は無くなっていないのにどんどん車は作るし,あれだけ副作用があっても抗がん剤は使います.文明というのはそういうもので,全体社会のメリットがあればわずかなリスクは許容するわけです.

日本は,どのくらいのリスクを受け入れて,規制を解除するのでしょうか.無茶な仮定も含めていろいろシミュレーションしていきましょう.

その前に,以下の二つの図は年齢別のCOVID-19感染者の死亡を年齢別に見たものです.基本的に20代以下の死亡は,基礎疾患がない限り発生しないという前提です.

加えて,COVID-19の病原性は,麻疹ウイルス,RSウイルス,インフルエンザウイルスと比較して低く,その証拠は子どもたちが罹患した時の症状で比較すれば大丈夫です.合目的的に新型ウイルスには強い免疫構造を持っている子どもたちにとって,どのウイルスも新型ウイルスなのでCOVID-19の特殊性はないわけです.成人が重症化するのは新型ウイルスに対応できるだけの免疫構造を持ち合わせていない…免疫が加齢でさび付いているのです(もちろん合目的的です).

先ほどの前提の上にシミュレーションします.

 

COVID-19感染症 死亡者性・年齢階級構造(日本、2021/8/16時点)
(国立社会保障・人口問題研究所)

f:id:uhomme:20210822104159j:plain

 

NHK 特設サイト)

f:id:uhomme:20210822104202j:plain

 

 

  1. もしも世の中に30歳以上の人が居なければ…
    この風邪ひきは重症化する可能性はほとんどないわけですから,もともと社会の規制は存在しないでしょう.ワクチンさえ作られなかったでしょう.
  2. もしも30歳以上の人と基礎疾患のある人すべてがワクチン接種を終了したら…
    社会は,規制全面解除されるでしょう.もちろん感染は蔓延するかもしれませんが,重症化はほとんど起きないわけですから,単なる風邪ひきの流行と考えればよいわけです.
  3. もしも30歳以上の人と基礎疾患のある人の多くがワクチン接種を終了したら…
    アレルギーなどがあって接種できない人は,ここでは無視して話を進めます.ワクチン接種をしなかった人が,十分で正当な情報提供を受けたという前提が必要です.その人は感染することのリスクよりワクチン接種することのリスクを重要視したわけです.これはもちろん自由な権利です.権利ということは冷たいようですが,感染に対する責任は本人にあります.だから,30歳以上の人と基礎疾患のある人の希望者の接種が終了したら,社会は規制全面解除されるのだと思います.

 

この3番目がきっとなされることになります.今のアメリカやイギリスの姿ではないでしょうか.ただ年齢が30歳以上ではなく,20歳以上かもしれません.

 

では,この3番目にして社会を復活させるとしたときに,現時点で国がやらなければいけないことは何でしょうか.国民に見通しを示したうえでワクチン接種を受けるか受けないかを選択させることです.つまり十分で正当な情報提供が必要です.十分で正当な情報提供とは何かは,きっとこれまでに行われてきた感染発症のリスクとワクチン接種のリスクについてです.正当な情報とは,ワクチン接種1カ月以内に何百人死亡したなどという結果だけを述べる情報ではなく,それをどのように考察したかを示さないといけません.

 

もう一つ重要な情報提供は,今後の見通しです.

  • 30歳以上の人と基礎疾患のある人のうち,ワクチン希望者の接種が終了したら社会は規制全面解除すること
  • 重症化する可能性のある希望者へのワクチンは終了したので, COVID-19感染は蔓延したとしてもリスクは非常に少ないこと
  • ワクチンを希望せず,接種されなかった人は自己責任で感染防止に努めること
  • 規制解除後は,30歳未満の人や,学校では風邪ひき(COVID-19)が流行するかもしれないが,基本的に重症化することはないこと
  • 規制解除後の病院としては,通常の風邪ひきとして対応し,PCR検査や抗原検査を必須としないこと

 

アレルギー等で接種できなかった人には,その事情を理解して別個に対応が必要と思います.何か良いアイデアがあると良いのですが….

 

しかし,特にワクチン接種が危険であると思えない人達に対しては,明確に社会としての今後の見通しを情報提供すれば,ワクチン希望者はもっと増えるのではないかと思います.