高齢者とコロナワクチン

2021年2月4日

 

高齢者は全員コロナワクチンを接種しなくてはいけないということについて,今から皆さんを説得します.

高齢者の仲間入りをして3年になります.高齢者の社会的な役割を考えながら感じたことです.

昔は人生50年と言いました.COVID-19感染拡大下の今も“人生50年”だと想像してみましょう.おそらく新型コロナウイルス感染による重症者数も死亡者数も圧倒的に少ないことが予想されます.そうすると医療崩壊も心配なく,きっと緊急事態宣言もなく,時短営業も必要なかったのではないかと思います.今の社会的な状況は,我々高齢者が居なければ起こっていなかったと考えられ,若者たちには我々高齢者のために様々な我慢を強いていると考えたほうが良さそうです.高齢者は若者たちに守ってもらっていて,本来はしっかり感謝を伝えなくてはいけません.

私の施設は,重症心身障害児者施設で,COVID-19が入ってしまうと入所者に重症者が多数出ると考えて,職員には自粛を強くお願いしています.3月からコロナワクチンを開始する予定で準備を進めています.職員にはワクチン接種希望を聞いていますが,様々な理由で希望しない職員がいます.その中には単に“副反応が心配”というものもいるので,医師として説明させてもらっています.このような状況はうちの施設に限らないし,きっと高齢者にも“副反応が心配”ということでワクチン接種を希望しない人もたくさん出るのではないかと想像されます.

こんなことを考えていると,若者たちに守られている高齢者は,たとえわずかに副反応のおそれがあってもみんな積極的にコロナワクチンを接種すべきだ,そうすることが社会的な役割の少なくなった高齢者ができる数少ない社会的貢献の一つではないか,高齢者全員が接種すれば緊急事態宣言も不要だし,いろんなお店が通常の営業に戻すことができると思います.ここからはちょっときつい言葉ですが,本来は自然淘汰されるべき我々高齢者は若者に守ってもらっているわけだから,ごくわずかな社会貢献(高齢者全員がまず毒味として率先してコロナワクチンを接種する)をしようではありませんか.