今後のコロナはどうなるか(ワクチンの拡がりと重症者の発生)

2021年2月21日

 

テレビで,「若者たちにもワクチン接種率を上げるために,何らかのインセンティブを与えるべきだ」と議論されています.なんて愚かな議論でしょうか.ワクチンが進み,今後のコロナがどうなるかを考えてみます.

まず,いくつか前提を書きます.

  • COVID-19が特別に危険なウイルスではないことは,小児や若年成人が重症化しないことから明確です.これまでこのブログ(高齢者とコロナワクチン)で議論してきたとおりです.
  • 何故重症者や死亡者が多いかは,単に新型ウイルスであるからで,新型ウイルスへの免疫対応が錆びてしまった高齢者が重症化し死亡しています.
  • つまり今緊急事態宣言で国民,特に生産性を持っている若い人たちに生活制限を強いている理由は,高齢者の重症化や死亡を防ぐためです.

 

  • どうして医療従事者と高齢者が優先接種か?
    昨年までのコロナ死亡者は3470人で,このうち60歳以上は3273人,約94%です.つまり高齢者の全員にワクチンを接種することができたら,コロナ死亡者は現在の6%に減らすことが可能です(ワクチンの有効性95%を無視していますが).これが高齢者に優先接種をする明確な理由です.
    医療従事者については,医療崩壊を防ぐためもありますが,高齢者や基礎疾患を持っている人たちと接触する可能性が高いことがもう一つの理由です.
    高齢者へのワクチンが完結した残りに死亡者6%も,きっと基礎疾患を持っている人たちが多いわけで彼らにもワクチンが進めば死亡者はもっと減らすことができますね.
  • 医療従事者と高齢者にワクチン接種が終了するとどうなる?
    国の計画通りにワクチンが進むと,高齢者は6月いっぱいに接種が進むことになります.7月には,少なくとも重症者,死亡者は今の10%以下になります.おそらくもっと減っているように思います.一日のコロナ死者数は日本全体できっと10人以下になると思います.これが予定通り7月になるのか,もう少し先延ばしになるのかはわかりませんが,近い将来にこうなります.
  • 若年者に本当にワクチンは必要か?
    基礎疾患がないことが前提です.これはどちらにしても夏以降になります.彼らが重症化し,死亡することはほとんどありません.高齢者の安全のために自粛してくれたことで充分です.「若者のワクチンを進めるために何らかインセンティブを」とテレビで議論されていますが,無駄な議論だし,少なくとも夏以降に議論してもらえばよいと思います.もちろん小児に接種することは,逆に間違いだと思っています.その理由も過去のブログに書いてあります.
  • 高齢者は社会貢献として積極的にワクチンをうつべきです
    これは過去のブログ(高齢者とコロナワクチン)を見てください.若者たちの生活を通常に戻すためへの社会貢献だと思って,高齢者の皆さん副作用を過剰に恐れず積極的にワクチンをうちましょう.

 

 

ちょっと愚痴です.私の施設は重症心身障害児者施設なのですが,県から“3月に職員全員のCOVID-19のPCR(または抗原)検査を希望しないか”という連絡がありました.この検査に何の意味があり,どんな目的があるのか非常に疑問でした.だから“希望しない”と回答しました.職員に,その日に感染しているかいないかに何の意味があるのでしょうか? 今日陰性でも明日は陽性になるかもしれません.抗体を検査するならば,これよりは意味があるかもしれませんが,それでも意味はないと思います.ちゃんと知恵を使って税金を使ってほしいと思います.