コロナ濃厚接触者のPCRの問題点

コロナ濃厚接触者がPCRできちんと診断されているかどうかを考えます.

下図は今日本で起こっている状況に近いのではないかと思います.

例えば1000人がPCR検査を受けた場合の状況です.

 

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コロナ患者とPCR

 

今回の主題ではありませんが,1000人検査をするとコロナに感染していないのにPCR陽性と診断される人が10人前後いるということです.

主題に戻ります.

真の患者であった場合に,PCR陽性となる確率は70%程度です.

 

次に,濃厚接触者がPCR検査を受ける時期について考えてみます.

 

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濃厚接触者のPCR検査の信頼性


 

 

発症前に,咽頭や鼻腔にウイルスがいる時期は,感染させる時期の発症前2日間と仮定,また潜伏期は平均が5.8日と言われるので6日と仮定します.

発症者がPCR陽性の結果が出るのを2日後とすると,その翌日に濃厚接触者が検査される可能性が高いのではないでしょうか.濃厚接触者は感染していると仮定します.発症者と濃厚接触者の接触を発症者の発症1.5日前くらいに想定してみます.そうすると,濃厚接触者のPCR検査の日は咽頭や鼻腔にウイルスが出てくるぎりぎりの時期です.仮定したように濃厚接触者が感染しているとしても,PCR検査が陽性となる可能性は,時期的な問題のために50%くらいかもしれません.

 

そこで,感度の70%を掛け合わせると,50%×70%=35%となります.

つまり,濃厚接触者が仮に感染していると仮定すると,感染者であるにもかかわらずPCR陽性となる確率は35%ということです.つまり,コロナに感染している濃厚接触者の内65%は野に放たれ,そのうちの一部はその後に発症し,一部は不顕性感染となっている可能性があります.

濃厚接触者の中からできるだけ正確に感染者をみつけるためには,例えば3日連続でPCR検査をやれば診断率はかなり上がると思います.そして感染拡大を防げるかもしれません.