積極的なPCR検査は真の新型コロナウイルス感染者を爆発的に増やす

積極的なPCR検査は真の新型コロナウイルス感染者を爆発的に増やします.

PCR検査を積極的にやってはいけない理由を説明します.

 

一般的な話から…

  1. PCR検査の感度は、70%~80%程度
  2. PCR検査の特異度は、80%~90%程度
  3. 日本人口が1億2500万人
  4. 現在の証明された日本のコロナウイルス感染者8400人

 

計算のために単純化します.方向はPCR検査を増やすことに意味があるという方向で考えます. 実際の感染者は10倍いると考えます.

  • PCR検査の感度は80%
  • PCR検査の特異度は90%
  • 日本人口が1億人
  • 現在の日本のコロナウイルス感染者10万人

 

もし全国民がPCR検査を受けたとします.

 

真の感染者

真の非感染者

PCR(+)

80000

9990000

10070000

PCR(ー)

20000

89910000

89930000

100000

99900000

100000000

すると,陽性的中率(検査が陽性の時に真の感染者である率)は0.8%となります.これは,80000÷10070000です.

結果,本当は新型コロナウイルス感染ではない,9990000の人が陽性と判断されて病院に殺到することになり,いわゆる“医療崩壊”です.2回感染しているというのも怪しいものですよね.もちろんこれの小規模なものは今も日本で起こっているということです.

 

これは現実的ではないということで,真の感染者の10倍(100万人)がPCR検査を受けたとします.

 

真の感染者

真の非感染者

PCR(+)

80000

90000

170000

PCR(ー)

20000

810000

830000

100000

900000

1000000

すると,陽性的中率(検査が陽性の時に真の感染者である率)は47%となります.これは,80000÷170000です.

結果,本当は新型コロナウイルス感染ではない,90000の人が陽性と判断されて病院に殺到することになます.これも“医療崩壊”に繋がりますよね.しかもこの90000人は新型コロナと同じ部屋で生活させられるかもしれません.

つまり,積極的なPCR検査は,真の新型コロナの感染を爆発的に増やします.

 

もしも我々医師が診断してからだと考えます.正診率,誤診率を50%と考えます.

つまり真の感染者の2倍(20万人)がPCR検査を受けたとします.

 

真の感染者

真の非感染者

PCR(+)

80000

10000

90000

PCR(ー)

20000

90000

110000

100000

100000

200000

すると,陽性的中率(検査が陽性の時に真の感染者である率)は89%となります.これは,80000÷90000です.

結果,本当は新型コロナウイルス感染ではない,10000の人が陽性と判断されて病院に収容されます.現実に近い数ではないでしょうか.現在この10000人は新型コロナと同じ部屋で生活させられています.

 

こんなことがなぜ起こるかというと,検査は正しいに違いないという神話によるものです.

 

もう一つの無駄なPCR検査が意味のない理由は,今日感染していなくても明日感染しているかもしれないからです.